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KEIO SFC JOURNAL Vol.23 No.1

2023.09 発行

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自由論題投稿論文
  • [研究論文]

    マーケットとショップハウスの分布から考察するプノンペンの中心市街地の歴史的都市景観の特性

    藤澤 忠盛(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程 / 昭和女子大学環境デザイン学部環境デザイン学科同国際文化研究所准教授)
    葛原 俊秀(東京工科大学デザイン学部准教授)

    カンボジアの首都プノンペンの都市開発は計画性に乏しく、歴史的建造物の取り壊し、観光資源や都市の風土性の喪失という問題が生じている。都市の近代化、拡大化が進むプノンペンにおいて、フランス統治時代からの都市の変遷の中で、マーケットとショップハウスは都市の発展と景観という点で重要な要素であると言える。本研究においては、マーケットとショップハウスの現状と都市の発展と成長との関係性、そして、プノンペンの人々の生活の中におけるそれらの役割を明らかにする。

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自由論題投稿論文
  • [研究論文]

    サイバーセキュリティに関するASEANの地域的取り組みとその有効性

    サリ,モニカ ニラ(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程)

     COVID-19 パンデミックが発生してからデジタル化はさらに加速し、多くの発展途上国にとって最も重要な成長エンジンの一つとなっている。私たちはデジタル化が東南アジア地域をどのように再形成しているのかをすでに目にしている。ASEAN でのインターネット普及率は現在77.6%を超えており、全世界での普及率の約59.5%を上回る計算になっている。ASEAN が経験したデジタル化の加速は地域のデジタル経済成長にも貢献しているが、サイバー犯罪という新たな課題にもつながった。この一年間で、サイバーセキュリティは ASEAN の優先順位の高い議題になった。しかし、ASEAN は経済成長の面での格差に特徴があり、その結果、サイバーの成熟度やASEAN 諸国のサイバー犯罪に関する取組政策、コミットメント等にギャップが生じている。そのため、本稿では、地域のサイバーセキュリティ問題に対処する上で、ASEANの地域的アプローチがどれほど効果的であるかを分析する。

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自由論題投稿論文
  • [研究論文]

    積立方式の公的年金制度が放棄される必然

    星田 淳也(慶應義塾大学総合政策学部准教授)

    積立方式の公的年金制度の特徴、及びそれへの不況の影響を数理モデルにより検討する。その結果、①制度全体で最低でも全家計の年間総可処分所得額の3 倍といった規模の莫大な積立金が必要となること、②積み増しは無制限に可能ではないこと、③したがって運用利回りが当初の見込みから大きく低下した場合には巨額の運用損失とともに現役世代による補填が困難な莫大な積立不足が発生することが明らかになった。世界中で積立方式の年金制度が放棄されてきた歴史は必然だったといえる。

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自由論題投稿論文
  • [研究ノート]

    合成腫瘍リクルート免疫細胞療法

    盧 盈綺(慶應義塾大学環境情報学部2年 / ハーバード大学医学部ダナ・ファーバー癌研究所 / 東京大学大学院理学系研究科)

     合成腫瘍リクルート免疫細胞療法(STRICT)は、腫瘍に限局したペイロードの産生を可能にし、免疫細胞の勧誘と活性化により転移性癌の既存の治療レジメンを改善、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)の治療に有望な治療法である。

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自由論題投稿論文
  • [研究ノート]

    少年ナイフの山野直子さんによる『インディーズロック’88~’98』ゲスト講義

    デイビッド・ヘニグマン(慶應義塾大学環境情報学部訪問講師)

      本稿の目的は、私が慶應SFC で担当している『インディーズ・ロック’88 ~’98』講座の実践報告である。  まず、コースのコンセプトや構成について説明している。インディー・ロックとはどういうものなのか、初心者の方にもご理解いただけるだろう。日本のバンド、少年ナイフの1992 年のアルバム『レッツ・ナイフ』など、このコースで取り上げるアルバムについて触れている。また、少年ナイフの歴史の一端を描き、海外のインディーロック界に与えた影響についても解説している。バンドのリーダーである山野直子が、ゲストスピーカーとして2 回(2022 年6 月10 日・11 月25 日)Zoom 訪問された授業を紹介。  2 回目の訪問では、リーダーとして40 年以上活動している彼女が、1990 年代前半にアメリカのグランジレジェンドであるNirvana(ニルヴァーナ)と共にツアーを行った際のエピソードなどが語られた。本稿では、学生への講演の模様と、質疑応答を抜粋し掲載している。

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コラム
  • [コラム]

    剽窃等の不正行為防止啓発マンガ

      剽窃(ひょうせつ)は他の人が書いた文章を無断で利用する不正行為(盗用)であり、決して許されるものではありません。しかし、インターネット等を通じて簡単に文章をコピーペーストできる昨今、授業内課題などの提出物において剽窃行為が行われるという声が聞かれます。本誌KEIO SFC JOURNAL ならびに学会員が提出する様々な文章を取り扱う慶應SFC 学会では、この状況に大きな危機感を覚えています。そこで、剽窃が許されない行為であることを深く考えていただきたく、剽窃等の不正行為防止を啓発するマンガを募集しました(公募期間: 2023 年1 月13 日から3 月13 日まで)。ここに、審査の結果、優秀として選ばれた6 作品を紹介します。いずれも慶應SFC の学生による作品になります。作品が末永く共有されることによって、SFC において各人がプライドをもって文章づくりをしていく土壌が育まれることを期待します。  なお、マンガはスマートフォンなどの電子媒体を用いて気軽に読めることを前提として、縦スクロール形式(長さの限定なし)で全て描かれています。今回、紹介するものは、それらを紙のサイズにあわせて適宜切り貼りしたものですので、読みづらい面があるかもしれませんが、ご理解ください。各漫画の最後に電子媒体で閲覧できるQR コードを記載しましたので、あわせてご利用ください。また、本誌は一般的なマンガ雑誌とは違い、右ページをめくる形式となります(左綴じ)。それを考慮して読み進めることについてもご了承ください。作者の所属と学年は2023 年3 月時点のものになります。

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